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okicole 離島 伊江島

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村長さんの島じまん:民泊と六次産業の成功が光る 村民が主役の村づくり―伊江村長 島袋秀幸氏(3)

村長さんの島じまん:民泊と六次産業の成功が光る 村民が主役の村づくり―伊江村長 島袋秀幸氏(3)

沖縄県北部 本部港からフェリーで30分に位置する伊江島は、伊江島タッチューの愛称で親しまれる城山のシルエットが印象的な、人口4,600人の島。農業と漁業を基盤に、近年では民泊による修学旅行をはじめとする観光も島民生活を支える柱となっている。六次産業化や観光業の新たな展開を見据えた島づくりを、島袋村長に伺った。

村長プロフィール 

昭和27年生まれ。琉球大学卒業後、25歳で村役場入りし、総務課長、副村長などを歴任。2017年4月、44年ぶりの村長選で2期目の当選を果たす。「一番の自慢は、やはりみなさんに親しまれている伊江島タッチューの島影と、てっぺんからの絶景です」。 

 



 

Part3 畜産、じーまみ、アジアン野菜 特産品の新展開 

 

島らっきょうのシェア6割、加工品開発も

Part1 Part2と観光振興について紹介してきたが、島袋村長は「村では長年、農業・漁業の基盤整備をしてきました。それがあっての観光業です」と、あくまでも一次産業を重視する。ほかの離島と同様に、さとうきびと子牛の繁殖・育成が営まれているほか、伊江島では葉タバコと島らっきょうが主要農産物だ。「農業生産高は42億円で、人口のわりに稼いでいると思います。漁業者も優秀で約30名で3億5~6,000万円ほどの水揚げ。名護の市場は伊江島の海人がいなければ成立しないと言われているほどです」。

伊江村

島の農地は「島尻まーじ」と呼ばれる透水性のいい土壌。さらさらとして深植えができるため、島らっきょうの白い部分を細長く育てることができる。「島らっきょうといえば伊江島と言われるぐらいになってきています。土壌のおかげで根腐れせず、育てやすい上につくった分高く売れるので、農家も積極的に栽培面積を増やしている。らっきょうだけで、1億8,000万円ぐらい売れています」。 

島らっきょう

沖縄の青果市場を取り仕切る卸売業者 沖縄協同青果株式会社の島らっきょう取扱高のうち6割が伊江島産だが、行政が音頭をとって生産を推奨したわけではない。島袋村長が「食べたら違いがわかる。やっぱり伊江島のが美味しいよね、という評価が消費者の中で確立されていった結果、商品価値が上がり高く売れるようになった」と話すように、品質のよさでシェアを獲得した。「浅漬けと天ぷら、という今の食し方だと島らっきょう全体の市場拡大は難しく、1億8,000万円が3億4億まで伸ばせるとは考えにくい」。JAや協同青果とともに、生産高と消費高をどこまで伸ばせるか検証していくという。 

島らっきょう農家を守り育てるため、豊作時の値下がりリスクにも手を打った。2013年にセリ値が暴落したことを受けて、村では翌年、加工品の開発に着手。2015年に、島らっきょうをにんにくの代わりに、具材の12%の割合で配合した冷凍「いえぎょうざ」を発売。島の土産物店だけでなくコープおきなわ全店で販売がスタートし、好評を博している。 

毎年余剰分を買い取り、付加価値が高く保存が効く加工品にして確実に販売することで、農家の安定収入につなげる取り組みは、ピーナッツでも始まっている。 

「地豆―じーまみ―は特産品として知られているのですが、農産物としては生産コストが高く、なかなか自家消費以上の換金作物にはなりきれていません。せっかくの知名度を生かすべく、今年度から村の単独予算で、機械化による生産性向上や、消費者の健康志向をとらえたピーナッツオイルの商品化について、勝算があるか調査を始めました」。 

 

「伊江島牛」と「伊江牛」肉牛をブランド化 

畜産業では、2017年12月に地域ブランド「伊江島牛」の販売が始まった。今までは、繁殖と育成だけして子牛をセリに出すビジネスモデルだった。これを、一部肥育まで伊江島の農家が手がけ、JAが販売する。県内で先行するのは、「石垣牛」や「もとぶ牛」。「まだブランド力が弱く、石垣牛ともとぶ牛が7,000円/kgなのに対して伊江島牛は5,000円/kgほどですが、等級はA5ランクが次々に出ています。月3頭ほど解体できれば需要に応えられるはず。『伊江島は牛が有名だけど、どこに行ったら食べられますか?』という問い合わせも多いので、島に来たらいつでも食べられるようにしていきたいですね」。観光客向けに島内で味わえる店舗の設置・運営も検討しており、伊江島観光の魅力向上にもつながりそうだ。 

また、伊江島には「伊江島牛」とは別に、子牛の出産という役目を終えた経産母牛を、餌を変えて食用に育てなおした「伊江牛」もある。こちらは、島袋村長が「六次産業化といえば名嘉さん。島の中で一番頑張って成功している」と話す、名嘉良雄さんと次男夫婦である健二さん、亜依子さん一家が手がけている。飼料用サトウキビや複数の牧草をブレンドした餌による肉質改良技術は、従業員と秘密保持契約を結ぶ門外不出。赤身の旨味と脂身の甘みが特徴だ。 

名嘉一家の農業生産法人株式会社伊江牛は、沖縄本島の豊見城・糸満エリアで加工場や直売所、瀬長島ウミカジテラス内の直営鉄板焼きレストラン「勝(しょう)」を経営し、生産・加工・販売を行なっている。百貨店りうぼうのお中元や、りうぼうが運営する「離島のいいもの沖縄セレクション」でのネット通販では「伊江牛10万円セット」が販売され好評。「廃用牛」と呼ばれる経産母牛に価値を見出した着眼点、独自の生産技術と販路開拓で、これまで子牛の繁殖・育成が中心だった沖縄の畜産業に、新たな可能性を提示している。 

伊江村

 

「伊江島産」付加価値 アジアン野菜を試験栽培 

東京から伊江島へ、新たな農業の可能性が持ち込まれている事案もある。「約40店舗のタイ料理店を経営する会社から、『店で使うアジアン野菜を、伊江島からすべて買いたい』と提案を受け、2015年度から村がビニールハウスをつくって試験栽培をしています」。海外から輸入するよりも、沖縄の離島から仕入れることが付加価値になる。パパイヤやコリアンダー、ホーリーバジルなど、売り先が確定した上でつくるアジアン野菜が、伊江島の農業を変えていく可能性が生まれている。 

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