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町長さんの島じまん:9つの島々が織りなす美しき自然と文化を未来へつなぐ―竹富町長・西大舛髙旬氏(2) 

町長さんの島じまん:9つの島々が織りなす美しき自然と文化を未来へつなぐ―竹富町長・西大舛髙旬氏(2) 

竹富町には、竹富島、小浜島、黒島、西表島、波照間島、鳩間島、新城島(上地島 下地島)、加屋真島、由布島の9つの有人島がある。沖縄で2番目に大きい面積を持つ西表島から、人口10人未満の新城島まで。多彩な魅力を持つ島々を束ねる西大舛髙旬町長に、未来への展望を伺った。 

竹富町長

町長プロフィール

1947年西表島生まれ。1990年から26年にわたり町議会議員を務める。2016年、7期目の途中で町長選に初立候補し、前職を破って初当選。議員時代から、トレードマークは西表島のさとうきびを使った羊羹をつくっている「とらや」の紙袋。

 



 

Part2 農業と祭り、暮らす人の営みあっての観光業 

 

小浜島では、旧暦6月の「豊年祭」、旧暦7月13日から16日の「盆」、旧暦8、9月の4日間で行われる「結願祭」と旧暦9、10月の2日間の「種子取祭」で民俗芸能が行われ、なかでも盆と結願祭、種子取祭の3つは国の重要無形民俗文化財に指定されている。結願祭の「シュンギン(初番狂言)」や「ブーピキ踊(苧引踊)」、「ダートゥーダー」などは、小浜島独自の演目だ。 

小浜島 結願祭(ダートゥーダ) 

「パナリ(新城島)の豊年祭ではヤシガニを供えます。祭りの準備は、海に、山に、入るところから。獅子舞の獅子の着物だって、山から芭蕉をとってきて、乾燥させて繊維を抜くところからやります」。島によってはこうした文化を残すため、「青年学級」を開いて後継者を育てており、こうした動きを、バックアップし広げたい考え。「営々として残してきた文化を大切にしなくてはならない」。と、西大舛町長は文化の保存継承に、大きな使命感、義務感を感じている。 

 

農業の営みあっての観光業 

「観光客の方に興味を持ってきていただける大きな理由が『島らしさ』。ではその『島らしさ』の源泉はどこにあるか、といえば、わたしは農業だと思っています。汗水を流して神に感謝し、自然からお恵みをもらう農業から考えていかないと、観光はなりたたない」。

竹富町長

島の土に根を下ろし、土を耕し暮らす人々が自然に作用することで出てきたのが文化である。その文化から、地域らしさがにじみ出る。だから、農業がしっかりと続いていかないと、地域らしさがなくなってしまう。 

これが、「農業が大変だからこそ、1年に1度、祭りで収穫の喜びを爆発させてきたんです」と話し、自身も農業を営む西大舛町長の観光振興における信念だ。 

しかし、農業と命をつなぐことが直結していた時代は変わり、農業も農業従事者の生活も近代化をまぬがれない。田畑から食べ物が獲れなくてもスーパーマーケットで買えばすむ現代に、昔ながらの生活文化、精神文化を保つことは容易ではない。 

まして、南ぬ島石垣空港の開港やLCCの就航、円安の進行やアジア経済の躍進による外国人観光客の激増などで、竹富町への入域観光客数は、平成26年度には116万人に迫った。観光業が育てば、必然的に、直接自然に作用する仕事を持つ一次産業就労者は減り、三次産業へと流れる。就業者数の割合で見ると、竹富町第一の産業は観光関連の飲食店・宿泊業で27.6%。農業は16.3%で、この2大産業で就業者の4割を占める。 

町長が「観光産業を振興する上でも重要な役割を果たす、町の基幹産業」と位置づける農業は、就業人口、生産高ともに減り続けており、町は平成26年に「農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想」を発表。10年後に、農業を本業とするものが地域における他産業従事者並みの生涯所得に相当する年間農業所得(主たる農業従事者1人あたり350万円程度)、年間労働時間(主たる農業従事者1人あたり2000時間程度)という目標を設定した。 

 

島らしさを守る切り札「入域協力金」 

農業の復興を意図しながらも、別の方法で島らしさを守る一手として導入を検討しているのが「入域協力金」だ。2015年4月に施行された「地域自然資産法」の活用を検討している。 

「地域自然資産法」は、各地域が自然環境の保全や持続可能な利用に取り組むために、入域料などのかたちで利用者に費用負担を求めるなど、民間資金を活用した地域の自発的な取組を促進するためにつくられた法律。 

「たとえば、竹富島の集落の真っ白な道は、島民が定期的に白砂を運び、掃き清めて整えているからこそ美しさを保っています。また、こうした美化活動でコミュニティの足並みが揃う下敷きには、年に一度、島民が一丸となって開催する種子取祭がある。守っているから、あるんです。美しい集落を一目見ようと訪れていただく大勢の観光客の方々にも、守ることに協力していただく。ふだんいらっしゃらないから手を動かせないぶん、お金というかたちで協力していただくという考え方です」。

まずは竹富島に限定し、テストしてから他の地域にも広げたい考えだ。 

竹富町

「特に波照間島には導入したいです。すばらしい文化が脈々と受け継がれているんだよ。ところが、見るぶんにはすごい島だけど、人口は増えない。石垣島から一番遠い日本最南端の島だから、船も欠航しやすく、商売をするのも、出産するのも大変。海が荒れて定期船が出ず、漁船を走らせて命がけの出産に臨んだ人もいる。親の死に目に会えなかった人もいる。島に住む覚悟、ご苦労はどれほどのものか。この時代に、最果ての島でさとうきびをつくって生きている姿を見て欲しい」。 

こう話す西大舛町長は、就任後すぐに波照間航路の就航率向上に動いた。2017年10月、210名乗りの大型高速船の就航を実現し、島の人たちと涙を流して酒を酌み交わし、祝ったという。 

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