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okicole 離島 渡嘉敷島

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村長さんの島じまん:国立公園の島が未来につなぐ旅づくり・ものづくり―渡嘉敷村長 松本好勝氏(3)

村長さんの島じまん:国立公園の島が未来につなぐ旅づくり・ものづくり―渡嘉敷村長 松本好勝氏(3)

渡嘉敷村は、渡嘉敷島と大小10余りの無人島からなる人口約700人の村。晴れた日には、那覇エリアから島影を眺めることができるほどの近海に位置し、フェリーで約1時間10分、高速船で35分という短時間でアクセスすることができる。美しい海を目当てに多くの観光客が訪れる渡嘉敷村の光と未来を、松本好勝村長に聞いた。 

 

Part3 特産品は、つくれば売れる 

漁協がつくるマグロジャーキー 

渡嘉敷村の観光業の課題のひとつが、島内産の特産品が少なく、観光客が増えても島に落ちるお金が増えないことだ。この課題を解決する芽はあるのだろうか。 

今でこそ三次産業の観光業が主役だが、島の一次・二次産業の歴史を紐解くと、カツオ漁業が輝いていた時代に行き当たる。松本村長は「戦前から戦後まもなくは、カツオ漁師が花形でした。80歳を超えた今でも潜り漁で魚を揚げる現役の漁師がいます。よく新聞にも取り上げられていますよ」と笑顔。村長自身も子どものころ、サバニで追い込み漁の修行をし、島に戻って役場に勤めながら、45歳ぐらいまで実戦の漁にも参加していたそうだ。  

 

追い込み漁とは、水中で潮の流れを読みながら、数人がかりで大きな網を動かし、魚の群れごと一網打尽にする沖縄の伝統漁法。素潜りの人間が泳力で魚群と勝負する。「その頃は役場もおおらかで、仕事の後、そのまま酒盛りをしたり麻雀をしたりしていました。そのまま寝泊まりした翌朝、本職の漁師さんたちが3人ぐらい役場に来て、若いもの3人ぐらい手伝え、と言うんです」。 

カツオ漁業は戦後、米軍基地ができたことで安定して収入が得られる軍作業に人手をとられ、衰退した。「現在では、漁業権を持っていても、マリンレジャーも提供する遊漁船と兼ねた兼業漁船がほとんど。専業の漁師は高齢化で減る一方です」。 

しかし、“海人の島”らしさは少なからず息づいている。渡嘉敷島でつくられる一番の人気商品は、島の漁師が漁協に持ち込むマグロのうち、以前は捨てられていた小ぶりのものを活用したマグロジャーキーだ。 

渡嘉敷村では、島周辺の海域に浮き漁礁を設置している。そこで行われる延縄漁、刺し網や追い込み漁でシビマグロやキハダマグロが水揚げされるが、マグロジャーキーに使われるのは、10月ごろから獲れ始める脂ののったビンチョウマグロだけ。 

マグロジャーキーの商品開発は、漁師の奥さんたちを中心に進められた。以前は、30kg以下の小さなマグロはなまり節にしていたが、消費しきれない。現代生活に馴染み、お土産としても買い求めやすいものを、と試行錯誤が重ねられ、商品化された。 

生産量は年間20,000個。村長が「間に合わしきれんわけよ。たまたまお土産で買って帰った人が配ったらその中にイベント会社の人がいて、沖縄出身アーティストのコンサートイベントで配りたいから8000個注文できるか?と電話があったこともある」と語るように、生産が需要に追いついていない。某ビールメーカーから150,000個といった桁違いの問い合わせが入ることもあり、新工場をつくって生産力を増強する計画もあるという。 

工場では、男性2名、女性7名の布陣でスライスから漬け込み、パッケージングまでを手作業で行うほか、「熟成まぐろジャーキー」や「まぐろつくだ煮」など、新商品も生み出している。

渡嘉敷漁協はマグロジャーキーの製造・販売のほか、満席時には一度に450名の乗客が乗り降りするフェリーターミナルや、ターミナルのすぐそばの漁協施設にも直販店をかまえ、冷凍の島魚の販売も行っている。また、公式サイトやメールマガジンを運営して「渡嘉敷村おさかな情報」と題した日々の水揚げ報告を発信するなど、観光業と漁業の橋渡しに取り組む。 

島むんにこだわった小さな六次産業

島の太陽の恵みを生かした特産品開発に取り組む民間事業者が有限会社金城園芸だ。「島むん」の屋号で、100%島で採れたフルーツだけを使ったジャムやゼリー、フルーツソース、ドライフルーツを生産。加工・販売まで一貫して手がけ、フェリーターミナルでは漁港の直売店のとなりにポップアップストアを出店している。 

パパイヤやシークヮーサー、パッションフルーツ、グァバなどとともに、リュウキュウバライチゴやヤマモモなど、産業化されていない野生に近い品種も活用。 

季節のものを、売り切れ御免で基本的に島内でのみ販売するスタイルで、希少価値、付加価値の高い商品を送り出している。 

さらに、阿波連地区には島むんcafé+を開き、渡嘉敷島や沖縄で獲れる魚介類やブランド豚、野草などを使った家庭料理やおつまみをワインやコーヒーとともに提供。島に根ざした小商いを家族で営み、地道に六次産業化を実現している。 

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