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村長さんの島じまん:国立公園の島が未来につなぐ旅づくり・ものづくり―渡嘉敷村長 松本好勝氏(1)

村長さんの島じまん:国立公園の島が未来につなぐ旅づくり・ものづくり―渡嘉敷村長 松本好勝氏(1)

渡嘉敷村は、渡嘉敷島と大小10余りの無人島からなる人口約700人の村。晴れた日には、那覇エリアから島影を眺めることができるほどの近海に位置し、フェリーで約1時間10分、高速船で35分という短時間でアクセスすることができる。美しい海を目当てに多くの観光客が訪れる渡嘉敷村の光と未来を、松本好勝村長に聞いた。 

 

村長プロフィール 

1945年、終戦間際に起きた集団自決の翌日に生まれる。糸満高校卒業後、東京オリンピックの年に東京で憧れの「本土就職」。その後名古屋に移り、27歳まで過ごす。復帰の翌年、1973年にUターンし、約40年の長きにわたり村役場に勤続。教育長、助役、副村長、社会福祉協議会会長などを歴任し2014年10月に村長に就任した。「島は全部好きだけど、写真を撮るなら坂道から見る阿波連ビーチの横顔。」 

Part1 島民が守ってきた自然が、島の経済を支える  

2011年以降、観光客数は右肩上がり 

2014年3月5日、渡嘉敷島は国立公園になった。渡嘉敷島と、慶良間海峡を挟んだ座間味村管轄の座間味島、阿嘉島、慶留間島。合わせて4つの有人離島をはじめとする大小30あまりの島々からなる慶良間諸島国立公園だ。2016年には、日本の国立公園全33カ所の中から国が世界水準の「ナショナルパーク」に育てるために先行的・集中的に取り組む「国立公園満喫プロジェクト」の対象として8つの国立公園のひとつに選ばれた。これは、島民によるサンゴ保全の取り組みや環境と調和した「エコツーリズム」の構想が評価されてのことだ。 

松本村長自ら、「真夏のかんかん照りのときの慶良間海峡は、毎日見ている自分でもうっとりするくらい綺麗ですよ」と、生まれ島の海を絶賛する。 

この美しい海に加え、那覇の中心地から最も近いアクセスの良さも島の魅力のひとつ。ゆいレールの美栄橋駅から徒歩10分のフェリーターミナル「とまりん」から高速船に乗り込めば、35分で着いてしまう。 

さまざまな条件がそろい、入域観光客数は東日本大震災以来、右肩上がり。2016年は年間約13万人の観光客が訪れ、2017年は10月の時点で前年を超えた。 

「リゾート開発しなくてよかった」 

大規模なリゾートはなく、観光客のほとんどは港からバスに乗り、ビーチのある阿波連地区や渡嘉志久地区を目指す。どちらも、ビーチと山に挟まれたわずかな平地に広がる小さな集落に、民宿やダイビングショップが住宅や商店と混ざり合って軒を連ねている。

「昭和52年ごろは、民宿が1、2軒あるきりでした。そのうちに、Uターンの人が自分の屋敷で民宿を始めたりして、だんだん増えていきました」 

リゾートやゴルフ場、工場開発の案件が持ち込まれたことも一度や二度ではない。「近代的になった方が、観光客も増える」と、役場では推進の機運が高まったが、住民の反対運動で抑止力が働き、ついに実現することはなかったという。

松本村長は「あの時、手つかずで残して正解だった!」と力を込める。もちろん、美しい海を守るために重ねてきた努力は、反対運動だけではない。 

昭和53年の沖縄海岸国定公園追加指定に始まり、2005年には湿地の生態系を守る国際条約であるラムサール条約の指定を受けた。 

2005年に渡嘉敷ダイビング協会が設立され、サンゴを捕食するオニヒトデの自主的な駆除を開始。2006年には、「むやみに錨を打つとサンゴが壊れる」と声が上がったことを契機に、あか・げるまダイビング協会・座間味ダイビング協会とともに「慶良間海域保全会議」を発足。漂着ゴミが問題となった後、海だけでなく陸にも対象を拡げて「慶良間自然環境保全会議」に名称変更し、渡嘉敷村と座間味村が行政区分の垣根を越えて、海域利用ルールの検討や普及啓発活動に取り組んできた。 

全国で2番目の「エコツーリズム推進法認定団体」

2012年、各島のダイビング協会が母体となって渡嘉敷村エコツーリズム推進協議会・座間味村エコツーリズム推進協議会を組織し、「慶良間地域エコツーリズム推進全体構想」を発表。全国で2番目に、環境省の「エコツーリズム推進法認定団体」に認定された。 

松本村長は「国立公園に指定されたのは、一朝一夕にどうこうではなく、長い間、自然を守るためにしてきたさまざまなことが、総合的に評価されたのだと思います。逆に、『国立公園指定を受けよう』という話が出てからは、早かったですよ」と話す。国立公園に指定されてからは、特に外国人観光客が増えた。 

「アメリカ人がほとんどだったのが、中国、韓国、台湾からのお客様やヨーロッパからもいらっしゃるようになりました。那覇側のターミナルには中国語を話すスタッフを、島側には英語を話すスタッフを臨時雇用し、インバウンドに対応しています。」 

生活排水で海を汚さないための下水道の整備も進めてきた。平成元年に特定環境保全公共下水道事業に着手し、観光人口の季節変動による汚水量の増減に対応するため、沖縄県で初めて「回分式活性汚泥法」による処理法を用いた水処理施設を整備。平成5年に供用を開始した。 

こうして守られてきた海には、サンゴを含む1640種の無脊椎動物や220種類の海藻類、360種類の魚が生息している。夏にはアオウミガメが産卵のために上陸し、1月~4月にかけて繁殖活動のためにザトウクジラが訪れる。自然の生態系が見せる多彩な自然の美しさに惹かれて訪れる13万人の観光客を迎える事業が雇用を生み出し、地域を支えている。 

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