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島酒泡盛ほろよい紀行:水と土が豊かな久米島でつくる“含み香”がキレイな泡盛―久米島 米島酒造

島酒泡盛ほろよい紀行:水と土が豊かな久米島でつくる“含み香”がキレイな泡盛―久米島 米島酒造

しょっちゅう訪れる、酒席で次のお酒を選ぶシーン。ビールの後、「今日はハイボールやレモンサワー以外のものを飲もうかな」と思っても、どれを選べばいいかわからず、結局ハイボールかレモンサワーを注文してしまうことはありませんか? 

沖縄の島々には、47もの泡盛酒造所があります。 

泡盛の味を覚えて「これとこれが好き」と贔屓の銘柄を頼んだり、「今日はこれ」と気分に合わせて選んだり、「これ美味しいよ」と人におすすめできたら、楽しい酒席がもっと楽しくなるかもしれません。 

そこでおきコレでは、ひとつひとつの酒造所に足を運んでみることにしました。 

教養が育つ工場見学と、無料の試飲。そして、行った人しか買えない限定銘柄が、もれなくついてくる泡盛探訪。 

今回ご紹介するのは、久米島の米島酒造(よねしましゅぞう)です。 

久米島は、その名に「米」の字が入っていることにも表れているように、古くから米づくりが行われてきた島です。 

沖縄の島の中では、沖縄本島、西表島、石垣島、宮古島についで5番目に大きく、琉球諸島にある地質が全部そろっています。そのため、沖縄では珍しく軟水の湧き水が豊富で、米島酒造ではこの軟水を使って泡盛づくりを続けています。

69年前、現在の代表取締役である田場俊之さんのひいおじいさんが創業。当時、酒造所のある大田部落は献上米がつくられるほどの米どころだったことから、「米島酒造」と命名しました。 

「戦前は、みんな自宅で泡盛をつくっていました。戦後は、酒蔵も久米島だけで4蔵あったのですが、それから減って、今はうちと久米島の久米仙さんの2蔵です」。久米島の久米仙と間違えられることも多かったそうですが、16年ほど前にホタルを模したロゴマークを作って認知度を上げてきました。 

つくっているのは、食事にあう日常酒。「お刺身と一緒に飲んでも魚の味を殺さないぐらいに、香りをおだやかにしています。華やかさよりも、さりげなく鼻に抜ける含み香が特徴です。ふだん飲みのお酒として7割は島内に、3割を県外や沖縄本島に出荷しています」。 

「米島酒造のお酒を長く飲み続けている方からお叱りを受けるときのポイントが『刺身と合わん!』なんです。地元の飲み手が一番厳しい。でも、地元の人が県外で『いい酒がある』と宣伝してくれたおかげで『美ら蛍』を和食屋さんに置いてもらえていたり。地元とともにある酒蔵です」。

酒造所は集落の中にあり、「久米島の地酒」と呼ぶのにふさわしい佇まい。見学も受け付けています。 

見学では、田場さんのお話を聞きながら、お米を蒸す、麹を立てる、麹と酵母を水に入れてもろみを発酵させる、できたもろみを蒸留する、ろ過する、という泡盛づくりの工程順に、道具や、実際に発酵しているもろみを見ていきます。 

「お米を蒸す前に水に浸けるところから味づくりが始まります。お米の色を見て水分をどのくらい吸ったかを判断します。理想的な『菌の道』をつくるために蒸す時間も30秒、1分単位、蒸し器を回転させる回数も1回単位で調整します」。」「菌の道」とは、麹菌がお米に入り込んでいくためのヒビのこと。 

弾力のある蒸し方をすれば菌が入りにくく、お酒の味はあっさりとします。逆にヒビの入りやすい蒸し方をすれば菌が入りやすく、強い味のお酒になります。 

「1年365日、原料米の状態や湿度に合わせて蒸し方を微調整します。夏場は味を安定させにくいので、つくりを減らして徹底管理しています」。 

蒸したお米に麹を立てる段階でも、人の手を入れて温度を確認するそう。「お米の広げ方を、波打たせたり、うずまきにしたり、凹ませるなどして温度を調整します」。 

 

発酵にかける時間は、もろみの状態を見て20日前後。この日見せていただいたもろみは2日目で、盛大にボコボコ泡立っていました。その勢いは人工的に空気を送り込んでいるのかと思うほど。菌の生きたエネルギーが伝わってきます。 

蒸留では、40度~43度の泡盛を造る時は蒸留時間や蒸気圧を調整し、目的の度数にぴったり仕上がるように造っているそうです。 

濾過は、蒸留後の状態を見て、どの香りを取り除き、残したいかによって炭を使うこともあります。 

各工程、とても繊細な泡盛づくりをされています。 

そうしてでき上がった泡盛は、かめやタンク、瓶詰めされてからはビンの中で熟成しながら、出荷されて店頭にならびます。 

銘柄は現在8種類。島内で一番飲まれているのは「久米島」の30度。おすすめの飲み方は、「泡盛7にお水3で割る」。甘みと香りが上がるそうです。 

40度の「米島」は、お酒が大好きな人向けに、毎年味を変えてブレンドしています。ボトルも毎年違ったカラフルな色使い。夏から秋にかけたタイミングで、「味がおもしろくなってきたな」と感じた長期熟成のお酒を、お酒のタイミングでブレンド。1000本前後の限定で発売します。19年もの、20年ものが入ることもあるそう。 

洋酒のようにロックで飲めるように、とつくったのが「星の灯」の25度。 

30度の「美ら蛍」は、代表銘柄のひとつ。贈答用に人気です。 

43度の「久米島」は一升瓶で月に100本出せるかどうかの希少銘柄。貯蔵が進まないとできないため、注文を受けてから出荷まで、1ヶ月はかかる事もあるそうです。 

「美ら波」の40度は、限られたところにしか出していません。「凛としてスッキリ。味がしっかりしています」。瓶熟で1年経ってからの出荷。 

35度の「久米島」は、酒造所限定販売。「2代目、3代目が仕込んだ古酒もブレンドしています」。 

「おじいちゃんは耳が遠く、県外からの問い合わせ電話は全部切っていました。おじいちゃんは完全な職人気質でお客さんが来ても『今撹拌してるんだ!』と怒鳴りつけるような人でした」。4代目の田場さんは、守られてきた伝統を基盤に、泡盛の味を伝える新しい取り組みに挑戦しています。 

「沖縄のいろいろな酒造所から、22人の蔵人が集まって、泡盛の味の分析をしています。目的は、泡盛をあまり飲んだことがない人に、味を伝えるボキャブラリーを増やすことです。」尚氏(※旧琉球王国の王家)の文献には、古酒の味を表す「ウーヒージャーカジャー(雄ヤギの匂い)」「白梅香」「熟れたほおずき」といった言葉あるそう。このほか、「ごま様」「キノコ様」「カビ様臭」「紙様臭」など全部で49の言葉からなるフレーバーホイールをつくるプロジェクトに参加しています。 

「暫定ですが、うちのお酒はフローラルとキノコが多かったです」と田場さん。 

研究熱心でお話好きの田場さんにガイドしてもらえる米島酒造の工場見学、お土産を選ぶ楽しみもひとしおです。 

 

米島酒造株式会社
住所:沖縄県久米島町字大田499
電話:098-985-2326
見学時間:10:00-17:00
見学所要時間:10分
定休日:日曜日
留意点:写真撮影不可、12:00-14:00は見学不可
施設:製造工場、貯蔵庫、試飲コーナー
お取り寄せ:不可 

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