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okicole 離島 粟国島

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村長さんの島じまん:地層と絶景、素朴な村並み…大自然の小さな島づくり – 粟国村長 新城静喜氏(2)

村長さんの島じまん:地層と絶景、素朴な村並み…大自然の小さな島づくり – 粟国村長 新城静喜氏(2)

Part2  自然そのものから、それぞれの宝物が見つかる島

那覇・泊港から2時間の沖に浮かぶ粟国島は、映画「ナビィの恋」の舞台になった人口759人の一島一村。琉球弧で唯一、霧島火山帯に属する島の自然は変化に富み、北側の崖の上では特産品「粟國の塩」が炊かれている。平成20年に就任した新城静喜村長に、「ふくらしゃる粟国 てるくふぁ島(※)」を掲げた村づくりを伺った。  

※「ふくらしゃる」は「歓喜に満ち溢れ、よろこばしく、祝福されている」、「てるくふぁ」は「島に照りそそぎ、島に恵みをもたらす太陽神」の意味。どちらも島で歌い継がれてきたウムイの中にある。 

 

何もないから、何かが見つかる  

「沖縄本島から島に帰るとき、座間味島や渡嘉敷島に行くフェリーはお客さんが鈴なりなのに、フェリー粟国はしーんとしていて、ポカーンとしてしまう。クジラだったら粟国島にも来るのに」と話す新城村長。「どうして粟国には来てくれないのかな?」と感じるのは、村長自身が旅先としての粟国島に大きな魅力を感じているからだ。 

「誰もいない展望台で、彼女と満天の星空を眺めたりしたら、忘れられない人生のヒトコマになるんじゃないかな。2001年のしし座流星群のとき、わたしは妻と見に出かけました。誰かが光線を流してるのかと思うくらいの数で、107まで数えたけれどそれ以上は数え切れませんでした」。 

「何もないからこそ、何かが見つかる。感じたものが全部宝物になるはずです。見つけたらFacebookなどでシェアしていただけたら」と笑う。島から外へ、発信力の強化を狙い、2017年度中に集落全域をカバーするWi-Fiを整備する計画だ。 

粟国村では2010年度から3カ年にわたり、渡名喜村・北大東島・南大東島・多良間村とともに情報発信の強化に取り組んだ。3カ年の事業終了後は5村で推進協議会を設立し「おくなわプロジェクト」として継続している。交流人口が10,000人以下の離島が協働してFacebookページ「おくなわ 離島ガイド・プロジェクト」を運用。知名度を向上させる狙いだ。日々の投稿では、地域おこし協力隊のメンバーが活躍している。 

出典: https://www.facebook.com/agunijima/ 

 

白の絶壁、海上90mの絶景 

知名度やフェリーの本数こそ渡嘉敷島や座間味島に及ばないが、粟国島には知られざる見どころがつまっている。 

その筆頭が、海抜約85m、視界は65kmの彼方に届くマハナ展望台だ。島で一番高いところにひろびろとした草原があり、そこは崖の上。風にそよぐ草をかき分けて端にたどり着くと、眼下から水平線まで、遮られることなく青く澄んだ海が続く。 

遠くには伊江島や渡嘉敷諸島、沖縄本島の島影。海に浮かぶ漁船はケシ粒のような小ささで、足元を覗き込むと体がすくむ。 

「夕焼けのマハナ展望台には、何か考えさせられるような時間があります。都会は一日中、電車や人がワイワイガヤガヤしているから、たまにはこういうところに来て、静かに夕日でも眺めたら、また元気に仕事に戻っていけるんじゃないかな」と、新城村長が胸をはる、壮大な場所だ。 

展望台の下に位置するヤヒジャ海岸一帯にも、沖縄の他の島では目にすることのない雄大な風景が広がる。

巨岩が真っ二つに割れたヤマトゥガーの割れ目を通り抜け、その先の海岸を歩く。すると、赤やえび茶色の地層が何層にも重なった岩なみ、その向こうには、白い絶壁「筆ん崎」が現れる。 

地層は、太古の昔に火山が噴火を繰り返していたときの火山灰と溶岩。地球の歴史そのものだ。

「冒険心をくすぐられる場所としては、洞寺(てら)もあります。入ると夏でもひんやりとする地下の鍾乳洞です」。 

「島流しにあい、中で暮らしていた僧侶の骸骨が時間の経過とともに岩に埋もれて。今でも、頭蓋骨は見えますよ」。 

村長は小学生のとき、茂みをかき分けて奥へ、奥へと探検したそう。現在は階段が整備され、安全に下りられるようになっている。 

 

島まるごと、野鳥保護 

また、島では1年を通じて、全243種の野鳥の姿を見ることができる。 

「6年ほど前に島全域を野鳥の保護区に指定しました。大正池周辺を特別区域とし、木を伐採するなどの開発を禁止しています。野鳥の会の方々が、カメラを持っていらっしゃいますよ」と村長。2018年3月には、老朽化して使えなくなっている大正池の遊歩道の改修が終わる。これを機に、改めて島の見どころとしてPRしていく考えた。 

 

自然観察と島内観光のプロ

粟国島には、これまでに紹介した島の魅力を知り尽くしたプロがいる。そのひとりが四方(しかた)正良さんだ。 

京都生まれの四方さんは、1年の予定だった島暮らしで自然に魅せられ、移り住んでしまったという人物。野鳥に詳しく、星空を撮るカメラの腕前はプロ級。集落散策や地層観察にも精通している。粟国島観光を深く味わうための豊富な知識を独学で培い、観光ガイドを経て、観光協会の事務局長を生業とするまでになった。

「数年前に観光協会をつくったところから、役場だけではやりきれなかった観光が前進しはじめました。四方くんが担ってくれて助かっています」と村長の信頼も厚い。 

沖縄県企画部地域・離島課が進める離島観光・交流促進事業「島あっちい2017」では、海岸散策や星空や月面を撮影するワークショップ、製塩工場や製糖工場をめぐるウォーキングなど、10回あまりのモニターツアーを企画。コーディネート、ガイドまで手がける。四方さんが日参する観光協会の事務所はビジターセンターの中にあり、ここに島内観光の情報がそろっている。 

 

1kmの天然ビーチとギンガメアジのトルネード

盛り上がりを見せる粟国島の観光業だが、目下の課題は宿泊施設が不足していること。そこで村では、白砂の天然ビーチが1kmにわたって続くウーグの浜(長浜ビーチ)にビーチキャンプ場をつくる計画だ。 

「そこでBBQもできるようにして、シーカヤックやシュノーケルで遊びながら、食べて飲んで泊まれる場所にします」。 

島には2軒のダイビングショップがあり、本格的な海遊びもできる。中でも、ギンガメアジのトルネードは、他の島では見られない規模で、これを目当てに多くのダイバーが島を訪れるという。 

周囲12kmの小さな島のそこここで、自然の多彩さ、豊かさを感じられる粟国島。村づくりにおいて、観光業ののびしろは大きな希望のひとつと言えそうだ。 

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