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離島 グルメ 与那国島

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島酒泡盛ほろよい紀行:地釜蒸留でつくる にごり・焦がし・薬草酒。―与那国島・崎元酒造所 

島酒泡盛ほろよい紀行:地釜蒸留でつくる にごり・焦がし・薬草酒。―与那国島・崎元酒造所 

しょっちゅう訪れる、酒席で次のお酒を選ぶシーン。ビールの後、「今日はハイボールやレモンサワー以外のものを飲もうかな」と思っても、どれを選べばいいかわからず、結局ハイボールかレモンサワーを注文してしまうことはありませんか?  

沖縄の島々には、47もの泡盛酒造所があります。  

泡盛の味を覚えて「これとこれが好き」と贔屓の銘柄を頼んだり、「今日はこれ」と気分に合わせて選んだり、「これ美味しいよ」と人におすすめできたら、楽しい酒席がもっと楽しくなるかもしれません。  

そこでおきコレでは、ひとつひとつの酒造所に足を運んでみることにしました。  

教養が育つ工場見学や、無料の試飲。そして、行った人しか買えない限定銘柄と、楽しみの多い、泡盛探訪。  

・・・・・

今回ご紹介するのは、与那国島の崎元酒造所です。 

泡盛の多くは、蒸気の熱でもろみを蒸発させる蒸留方法でつくられています。そんな中、石垣島の「直火請福」をはじめ、八重山地方には火の熱で蒸留する酒造所が残っています。中でも、「地釜」と呼ばれる昔ながらのかまどを使っているのは5つだけ。「泡波」の波照間酒造所、「宮之鶴」の仲間酒造所、「白百合」の池原酒造、「於茂登」や「かびら」の高嶺酒造所、そして、「与那国」や「海波」をつくる崎元酒造所です。 

創業は昭和2年。戦前から、与那国島の歴史とともに歩んできた酒造所です。案内してくださったのは、3代目の崎元俊男さん。 

与那国島には、戦後の動乱期に密貿易の中継地として栄えた歴史があります。当時は、闇市が人々の暮らしを支えていました。船を出して、沖縄で集めたものを台湾に運んで売り、そのお金で闇市で売れる物資を買って沖縄に運べば、1往復で大儲けができた時代。「うちのおじいさんは、1回、船を出して大儲け。2回目も、大儲け。3回目に海に出たきり、帰ってこなかったと聞いています」。 

宇良部岳や与那国岳が水源となり、水に恵まれお米がとれる与那国島。崎元酒造所は、もともと米農家でした。2017年に創業90年を迎えた長い歴史の中で、さまざまな工夫をこらした泡盛を誕生させてきました。 

「工場には、島の米をつかった60度の10年ものが残っています」。2007年に、創業80年を記念して島の米で仕込んだ5,000本が、あと5~600本残っているそう。早いもの勝ちです。 

地釜蒸留だからこそできる「おこげ」は、蒸留中のかき混ぜ方をゆるくして、わざと焦げ香をつけた泡盛です。「遊びでつくってみました。月に10本限定で売り出したら『Coralway(2017年3・4月号)』に載って、空港から直行直帰で、おこげを買うためだけに来てくれたお客様もいました」。オリジナルの遊び心が好評を博し、掲載後2ヶ月ほどは月に6、70本が売れていくヒット商品に。今は毎月、酒造所限定10本限定で売っています。 

化粧品メーカーから発売された健康食品の原料として一躍有名になった長命草を配合した泡盛もあります。「もろみの発酵をはじめて3日目に生葉を刻んだ長命草を入れ、一緒に発酵させたものです」。 

与那国観光協会の会長や、八重山ビジターズビューローの副理事長、与那国町商工会副会長、与那国町議会議員も務める崎元さん。与那国島ならではのお土産需要を意識した商品づくりにも余念がありません。 

崎元さんが「一番の自慢」と話すのが、にごり泡盛。その名の通り、お酒全体が均一に白く濁っています。 

白い成分は、油性の旨み成分が水に溶けきらずに残ったもの。「にごり泡盛は、にごっていない泡盛とは、麹からして違います。麹も、蒸留や濾過で調整する味も度数も濃くつくり、それを島ならではの硬水で割ると濁ります」。他の島の酒造所が真似しようとしたけれど、水の違いなのか、できなかったそうです。 

工場限定商品の「春夏秋冬」は無濾過。 

「華五水」は「はなぐし」と読みます。「鳥が隠した五穀に雨が降り注ぎ、自然にお酒ができた」という沖縄に伝わる伝説から名前をとりました。 

崎元酒造でも、与那国島のもうひとつの酒造所「国泉泡盛」と同じように、60度の泡盛「花酒」の製造が認められています。 

「泡を盛る」と書いて泡盛。度数が高いほうが、泡が立ついいお酒とされていた、という逸話も。上の写真は、60度の花酒と30度の泡盛を瓶ごと降って見せてくださいました。たしかに、赤いキャップの花酒のほうに見事な泡がたっていました。 

工場見学は、工場全体を見下ろせる2階から。 

初心者にもわかりやすい、泡盛づくりの全行程がまとまった資料を手渡していただけます。 

「もろみを冷やす機械が普及する20年前までは、夏の間は5ヶ月休んでいました。今は、機械をつかって温度管理ができるようになったので、通年稼働。それでも、麹づくりは手造りの重労働で、外気温と同じ工場で発酵中のもろみや蒸留始めのもろみを撹拌しますので、夏は汗だくです」。 

10名のスタッフのみなさんが、それぞれの持ち場で汗を流していました。 

発酵は25度で20日。「長いほうです。ふつうは14日」と崎元さん。20日たったもろみは、500Lずつ3時間半ほどかけて6釜蒸留します。はじめは72度ほどで出てくるお酒のアルコール度数が17度ほど(花酒は50度)に下がったら蒸留を終えます。 

蒸留後、23日間は常温貯蔵、そのまま原酒の状態で3ヶ月おき、割り水をした状態でさらに3ヶ月貯蔵後、計半年たってから、瓶詰め出荷されます。 

天井まで届きそうな棚にずらりと並んださまざまな銘柄を、あれこれ手にとり、つくりの違いや味の特徴を教えてもらいながら選べる工場直売所。花酒ににごり泡盛、薬草酒からおこげまで。多くの個性あふれる泡盛をつくる崎元酒造所では、その楽しみもひとしおです。もちろん、試飲もできます。 

 

合名会社 崎元酒造所
所在地:沖縄県与那国町字与那国2329
電話:0980-87-2417
見学時間:9:30-11:40/13:00-16:30
見学所要時間:10分
定休日:日曜 

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