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離島 与那国島

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町長さんの島じまん:黒潮の源流で無二の歴史をたどる国境の島―与那国町長 外間守吉氏(4)

町長さんの島じまん:黒潮の源流で無二の歴史をたどる国境の島―与那国町長 外間守吉氏(4)

台湾との国境に位置する与那国島は、在来馬ヨナグニウマや海底遺跡で知られる人口1,700人の一島一町。2005年に就任し、8月の町長選で4期目の当選を果たした外間守吉町長に、島にしかない魅力や島の未来像を聞いた。 

 

 Part.4 小学5年生から台湾短期留学 オンライン高校の開設も 

 

ICTで「15の春」と「複式学級」解消の試み 

島らしさをかたちづくる多くの魅力が受け継がれ、育っている与那国島。外間町長が町政において特に力を入れているのが、子どもたちへの教育だ。「何を残すか、と考えたとき、人材しかないと思っている」と明言する方針のもと、高校のない離島というハンデをテクノロジーで乗り越える新たな試みが、次々に実現している。 

義務教育にとどまらず、無料の町営塾を開講。東京大学と与那国島をウェブでつなぎ、小・中学生が、東京大学の学生からオンライン講座が受けられるようにした。今では、南大東島、渡嘉敷島、座間味島が一括交付金を活用して同様の取り組みをしているが、与那国島ではその前から、町の単独予算で教育の機会を無償提供してきた。 

また、高校進学のための人口流出を食い止める一手として、はやければ2020年のオンライン高校開設を意図している。琉球大学と提携し、沖縄本島の琉大で高校の授業を開講。夏休みで島に一時帰宅した高校生が視聴するサテライト授業の実証実験を2017年に開始した。内閣府の沖縄離島活性化推進事業を活用した3年間のモデル事業。内閣府も交えた検証委員会でさまざまな要件を検討する。 

「それから、小中学校の複式学級も本当はやめたい。」と外間町長。各離島の学級をオンラインで統一する試みも同時に進める。与那国小学校で開く1年生の授業を西表島の1年生も一緒に受けるようにすれば、複式学級が解消できる、という構想。将来的には、高校のない離島を抱える15町村を巻き込みたい考えだ。 

台湾との交易で栄える夢ふたたび 

与那国町では、小学校5年生から中学3年生までの児童生徒を、毎年全員、町費で台湾に短期留学させている。 

「島には今も、『貿易の中継地として繁栄した歴史をもう一度』と夢見るかたがたくさんいます。ただ現状は、与那国島から貨物船や貨物機を出すよりも、東京の晴海や羽田から出す方が安い。時代背景が様変わりしていますから、同じことを繰り返すことはできない。だからこそ、次の世代に期待しています。子どものときから台湾の人々と交流することでお互いになじみのある関係をつくり、将来、新しいかたちで島づくりに生かしていってほしいのです」。 

食うや食わずの時代に、豊かさを求めて大海原に漕ぎ出した先人たちのハングリー精神とフロンティアスピリットは、島の子どもたちにどのように受け継がれ、どのような未来へと昇華されるのだろうか。「台湾人の資産家から、『中台関係に何かあったときに備えてお金を避難させておきたいので、手数料を払うから役場で預かってくれないか』という打診を受けることがあります。馬祖廟という、台湾の方が崇める海洋の守り神の寺社を建てたい、という話もある。台北―蘇澳間にトンネルが開通し、台北から2時間で与那国の対岸までこられるようになったのを機に、日帰りで与那国に遊びにくるプランが考えられないか、と台湾と香港の資本が商談に来たこともありますよ」。 

町はかつて、国境線がひかれ交易が制限されたことで島民の生活に支障をきたすと、国に抗議した歴史も持つ。「台湾との間で、パスポートと関税なしに人とものが自由に行き来できる特区にしたい」と話す外間町長。国境の島の未来は、変わりゆくアジアの只中で、子どもたちに託されている。 

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