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離島 与那国島

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町長さんの島じまん:黒潮の源流で無二の歴史をたどる国境の島―与那国町長 外間守吉氏(2)

町長さんの島じまん:黒潮の源流で無二の歴史をたどる国境の島―与那国町長 外間守吉氏(2)

台湾との国境に位置する与那国島は、在来馬ヨナグニウマや海底遺跡で知られる人口1,700人の一島一町。2005年に就任し、8月の町長選で4期目の当選を果たした外間守吉町長に、島にしかない魅力や島の未来像を聞いた。 

 

Part.2 長命草に続け。クシティで島おこし 

 

2005年に始まった長命草の躍進 

黒潮を生かしたカジキ漁とともに町の経済を支えているのが、さとうきびと子牛、そして長命草(ボタンボウフウ)だ。 

さとうきびと子牛は台風に強く、それぞれ約8,000万円、約2億3,000万円を稼ぐ農業の基盤。ここに、2005年から商品化への取り組みが始まった長命草が収入源として加わった。 

「2005年に策定した『与那国自立ビジョン』において、長命草を『与那国5大地域資源特産化事業』のひとつに位置づけました」。古くから岸壁などに自生し、地域の祭りで奉納される薬草として親しまれてきた長命草を、換金作物に育てるプロジェクトが、ここから始まった。 

当初、島の中で長命草入りの食品などを開発したが、「長命草」自体の知名度が低く販売は低迷した。翌年、大手化粧品メーカーが視察に訪れたことが、躍進の糸口となる。町として化粧品メーカーと連携し、長命草とともに与那国島のイメージを発信することも重視しながら商品開発を進めた。2年後の2008年、ドリンクとタブレット、パウダーが全国で発売された。 

2005年に3.3トンだった生産量が、5年後の2010年には8倍の26.6トンに激増。生産農家39戸で「与那国島長命草生産組合」が設立された。JA沖縄与那国支店、与那国島商工会、中核企業である農業生産法人与那国草園株式会社が参加した協議会も組織し、生産拡大と協力農家の獲得に取り組んでいる。協議会は毎年、生産農家を代表して化粧品メーカーと必要生産量の調整を実施。値崩れを防ぎ、農家の安定収入が確保されるよう努めてきた。 

こうした取り組みは着実に成果を上げ、2011年には生産農家が50戸まで増加。生産高は2005年の253万円から2011年に3,308万円。2016年には60戸で5,000万円と、サトウキビにせまる勢いだ。 

「島の中学校でも長命草の栽培・収穫に取り組み、収益は部活動の遠征費などに充てています。農地を持たない町民には、耕作放棄地を借りられるようサポート。少量でも買い取る仕組みをつくることで、誰もが参加できる“オール与那国”の取り組みに育っています」。 

長命草の次は「クシティ 

長命草に続けとばかりに力を入れ始めたのが、県外では「パクチー」や「コリアンダー」「シャンツァイ」という呼び名で親しまれている香草「クシティ」だ。外間町長は、「2017年9月の町議会で、12月の第二日曜日を『クシティの日』と定める条例が可決されました。第一回となる12月10日は、クシティの新しい食べ方を提案する試食会を開催します」と意気込みを見せる。 

与那国島民にとっては、冬を告げる野菜。旬の12月~1月になると、山盛りのクシティを醤油やツナ缶でさっと味付けし、生のまま大量に食べる。「昨年、初めて石垣島のフェスタに出したところ、『味と香りが別格』と評判でした。しかも、与那国のクシティの種を運び出して沖縄本島や石垣島で育てても、同じ風味になりません。それから、鉢植えで肥料をあげて丁寧に育ててもだめ。島の風と土で野性的に育てるのがいいようです。取り組みは始まったばかりで、まずは種を増やすところから。産地や育て方がどのようにして味や香りに影響しているのか、薬草と言える成分がないのか、科学的な検証も行なっていきたい」と話すのは、町役場産業振興課の田島政之さんだ。 

一度種を撒いたら、茎や葉が伸びたところで根を残してカットし収穫。3~4回収穫した後、自家採種した種を翌年撒くのが与那国流。これも、根ごと収穫する他地域とは異なる。茎の枝分かれが多く、小さく切れ込みの多い葉がつくため、やわらかい食感になるようだ。「小さいころからずっと食べています。我が家では毎食、主食といってもいいくらいよく食べる。昔は、種をお酒につけたものを『心臓の薬』といって飲んでいたようです。天ぷらにしても美味しいですよ(田島さん)」。 

「クシティ」の名称で特許庁に商標登録申請を済ませ、現在審査待ち。「台風がない時期につくれるし、害虫もこないので育てやすい作物。10Ha以上の栽培面積が条件となる拠点産地の認定も、難しいけれどもできればとりたい」と、生産拡大に動き始める。また、乾燥させたクシティと島で生産されている自然海塩「黒潮源流塩」をミックスした加工品のアイデアもあるという。「乾燥させると匂いが消えて、まろやかな味わいが出てきます。ふりかけやお味噌汁に入れると美味しい。試作品はできているので徐々に出していきたい」。 

協議会の立ち上げや、通年栽培を試みる実証実験の準備を進めている。 

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