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離島 与那国島

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町長さんの島じまん:黒潮の源流で無二の歴史をたどる国境の島―与那国町長 外間守吉氏(1)

町長さんの島じまん:黒潮の源流で無二の歴史をたどる国境の島―与那国町長 外間守吉氏(1)

台湾との国境に位置する与那国島は、在来馬ヨナグニウマや海底遺跡で知られる人口1,700人の一島一町。2005年に就任し、8月の町長選で4期目の当選を果たした外間守吉町長に、島にしかない魅力や島の未来像を聞いた。 

町長プロフィール 

1949年与那国島に生まれる。沖縄国際大学を卒業後、1979年に当時の大分県知事が提唱した「一町一品運動」に呼応して島に戻る。町議会議員を4期務めたのち、町議会議長を経て現職。 

 

  • Part.1 国境・黒潮・民俗文化 
  • Part.2 長命草に続け。クシティで島おこし(近日公開) 
  • Part.3 さいはての島 そのものを味わう観光(近日公開) 
  • Part.4 小学5年生から台湾短期留学 オンライン高校の開設も(近日公開)

 

Part.1 国境・黒潮・民俗文化 

 

「与那国島といえば、やはり国境の島であること。地理的な条件が文化や生活に溶け込んでいることが、いちばんの特徴です」。台湾との交易が盛んに行われていた終戦直後の動乱期。その只中に島で生まれ育った外間町長の言葉にあらわれているように、国境線が引かれた今もなお、与那国の人々にとっての台湾は身近な存在だ。 

日本最西端 台風の前は台湾が見える 

「台風の前に空が晴れると台湾が見える」というのは、与那国島民なら小学生でも知っている常識。127km東にある石垣島よりも111km西に位置する台湾に近い。戦後、米軍統治下で沖縄全土に広がった密貿易の拠点として栄え、人口は5,719人に増加した。これにより1947年、町に昇格。ただし、これは戸籍上の人口で、実際は15,000人とも20,000人とも言われる人々が日本や沖縄本島、台湾、香港から往来していたという。2017年島の上空のみを解除されたが緯度経度は変わっていない。民間機が18時以降に与那国島に接近すると台湾空軍にスクランブルをかけられる。目と鼻の先は外国。まさに国境の島だ。  

黒潮の只中に浮かぶ島 

行政区で見れば「日本最西端」だが、自然の地図では日本の黒潮の源流。1994年、第11管区海上保安本部は、周囲27kmほどの小さな島の周辺海域が日本の黒潮の源流域であること、さらに与那国の南海岸に衝突して二分される黒潮支流の存在を確認したうえ、二分された東側の支流は反転して南下していることを発表した。黒潮が渦巻く荒々しい海にサバニで漕ぎ出で、テグス一本で巨大カジキと対峙した老漁師 故糸数繁さんはドキュメンタリー映画「老人と海」となり、その生き様が全国に紹介された。素朴で力強い島人のありようは話題を呼び、黒潮に浮かぶ与那国島を鮮やかに印象づけた。  

糸数さんは、最初の上映会が島で開かれた後、東京での公開を待たずに亡くなった。漁に出たまま戻らず、大魚に引き込まれて海に還っていったのだという。与那国町では、与那国島出身の元沖縄県知事西銘順治氏や八重山古典民謡の功労者宮良康正氏と並んで、名誉町民の称号を授与。16歳から65年以上、海とともに生き、漁師としての人生をまっとうした糸数さんを称えた。 

港から1時間でカジキの漁場 

与那国島では、30人あまりの漁師がそれぞれ19トン以下の「サンパン」と呼ばれる小船で海に出て、年間1,100本を越すカジキを水揚げする。カジキは沖縄県で一番の漁獲高で、水揚げの翌朝には熊本に空輸され、1本10万円程度で取引される。町は空輸にかかる輸送費を公費で負担し、カジキ漁を支えている。 


久部良漁港

島内では刺身や唐揚げで食されるほか、内臓も野菜炒めや、皮も湯引きしてポン酢で和えて食べる。ふるさと納税の返礼品には、100kg程度のクロカジキを1本直送といった品目もある。毎年7月の第1週には、町役場主催で国際カジキ釣り大会を開催。2017年に28回目を数え、参加者にカジキの丸焼きが無料で振る舞われた。 

島にひとつの漁港がある久部良集落は漁師の町。「久部良合衆国」と呼ばれるほど移民としてきた漁師が多い。開かれた雰囲気で、2015年まで毎年「漁業就業支援フェア」に参加するなど、U・Iターン希望者を積極的に受け入れている。 

自然とともにある暮らし 年間21回の行事

久部良集落以外の祖納集落、比川集落は農業者が多く住む。与那国島では宇良部岳と久部良岳の2つの山系から流出する水源に恵まれ、サンゴ石灰の土壌ではさとうきび、湿地帯では米づくりが行われている。稲作や漁の安全や豊作豊漁を祈り、収穫に感謝する伝統行事が1年に21回。特に、旧暦5月4日に航海安全と豊漁を願い行われる海神祭は壮観だ。スタートからゴールまでの2往復1,600メートルを競う御願ハーリー、サバニをひっくり返し、元に戻してゴールをめざす転覆ハーリー、沖合2000メートルからスタートする上りハーリーを海の神に奉納。北組、中組、南組にわかれて戦う勇壮な催しに島民が大きく集い、心をひとつにする。祖納集落の山の手に広がる浦野墓地に見てとれる先祖崇拝の精神文化とともに、自然に寄り添って生きる土着の文化が暮らしに息づく。 

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