組踊「忠孝婦人(大川敵討)」

あらすじ
百姓上がりの谷茶は、日頃から野望をいだき常に大川城をうかがっていた。
折しも大川城には。亡き妃の弔いの日であり、最も頼りにする村原は、今帰仁城にお使いに行った留守中の出来ことで、不意を衝枯れた大川城は按司を始め、原国兄弟の父そのほかの重臣は大方討死にし残りはくもの子のように四散した。
村原の母や妻子も、途方にくれ、逃げのびるだけ力の限りを尽くしたが、老いたる母は、途中力尽きて倒れる。村原の妻乙樽は、姑母を救うため、胸にいだかれたわが子を山道に捨てる。
そこへ村原が山野をさ迷ううちに、神の導きかわが子を見つける。三人は直ちに山野の草原で思子を取り返す秘策の談合をする。
乙樽が意見を出した「今は敵の手中にある大川城に忍び、谷茶を始め武者共をあらゆる術策をつくして混乱させ、その隙に思子を奪い仇を討ちとろう」との秘策である。
初志貫徹せずんば止まらざる乙樽の意気、とうとう城内の谷茶の心をすっかりわがものにし成功のきざしを握った。やがて念願を果たす絶好の日が到来する。
谷茶の誕生日には、城内上下を問わず油断する日である。乙樽は秘かに居残っていた旧臣の泊をして村原に内通させる。来るべき日を待ちにまった村原は四散していた旧臣を呼び集め仇討ちの秘策をねる。
石の上にも三年、神は見すて給わず、ついに念願かなって討死した大川の按司の嫡男思子を元の大川城にお供することが出来た。

第1幕 決断の幕
元大川按司の頭役村原である。今帰仁城へのお使いから帰る途中、急報を聞いて憤激する。
即ち野心家の谷茶が謀略を企て、大川按司が国々の按司を討ち亡ぼそうとしていると各地に言いふらし、助勢を求め、大川城に攻め入った。大川城の按司は討死にし思死は生け捕りにされたということで残念がる。思子は大川按司の後を継がそうと育てている由、悪欲な谷茶故に腹の底は見えすいている。思子は敵の手中にあるとはいえ、不幸中の幸いである。
大川のご運はまだ尽きることはない。いつかの折を持って敵討ちとるため、この村原はいのちをながらえているのである。神々もご照覧あれ!
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第2幕 虎口へ見送る幕
♪子持節 冬の山嵐や足元もつまて 肝も肝もならぬあけよいきゃなよが
のっとられた大川城は四散子、村原の不在中に母と妻子も暗をついて落ちていった。とうとう母は力つきて倒れる。妻の乙樽は母のために子どもを捨てて身軽になる。村原は山道をさ迷ううちに神助けといおうか我が子乙松の泣き声をきく。
ひろいあげた村原はわが子にほほずりし母と乙樽の場所を求める。村原は乙樽が子をすてたいきさつをききそのけなげさに心うたれる。乙樽は村原に仇討ちについて打ちあける。即ち「大川城の谷茶をあざむき手玉にとり思子を救い仇討ちの機をねらいたい」と、村原は無謀な自殺行為だとさし止めたが、乙樽の強い心念うたれ、且は励ましつつ西と東に別れます。
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第3幕 舌戦閃光の幕
♪金武節 胸に物思ぼ歩 道程も 覚らずに着ちゃさ元の城
乙樽が敵谷茶城へ急ぐところ、殺されることも覚悟の上、乙樽は門番に思子の乳母といつわり谷茶にお目にかかりたいと懇願する。谷茶の登場、敵村原の妻の姿に驚く。満納開口一番「この女はただならぬ鬼だ。何かたくらみあって来たのだ。直ぐに牢にたたき混んで苦しめ一切を吐かそう」と。谷茶は疑いながらもとうとう乙樽の甘言と美貌に酔い自分のものにしようと考える。意志の強いそしてあるじのためには正義感の強い満納でもとうとう谷茶に追い出される。しつこい奴等が去った後、乙樽は谷茶に身の哀れを訴え且おどりで心を奪い、すっかり自分のものにした。計略の半ばは成功したも同然、乙樽は内心ほくそえんだ。
♪ こてい節 お慈悲ある故どお万人のまぎり 上下も揃て仰ぎ拝む
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第4幕 内通秘策の幕
♪大浦節 思子取り戻ち敵討たんとても あはり商人にやつれ出る
これは村原である。思子を取り戻す窮策として乙樽を敵城に送りこんだが心配のあまり、さぐり忍び出るところである。

♪さんいする節 唐ややまとの珍しい物 匂いびんつきかばしや物 ちょうじびゃくだん甘しょうが 刻みたばこも持ち居やベン きせる人宝蔵も持ちおやべん 其の外いろいろ持ちおやべん 代も安めて上げやべら 米と粟とも換えやべん お望みのもの買やいたぼれ

村原は城近くで住来の人々のささやきにさぐりをいれながら歩いているうちに、かつての使い泊らしいのに出会った。村原はいろいろな品で機嫌をとり、口から何か引き出そうと策した。話は長引き泊はついに城内の一切まで発展した。
はてはて自分の大事な用件を思い出し急ごうとする。なおも商人(村原)がしつこく尋ねるうちに、豈計らん、用件の主人公村原であったことに飛びあがり小声で乙樽からの内通を伝える「来る十日に乙樽が思子をひきとって北の山道に逃げ出してくるから、その心得をしてください。」とのことです。村原は天に合掌した。
そしてこれからの仇討ちについて泊に協力を求めます。
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第5幕 紅顔二少年出陣の幕
♪口説 君と親との敵かたき 倶に天かめ地やふまぬ 如何な岩石やたんたい 只踏み崩し踏み破り いかな鬼神やたんてい ずたずた刻まぬ只置ちゅみ
人の念力岩を通す まこと昔の物語り きけばうれしや有難や 兄弟力うち合わし 猪かり人に身をやつし 勇みすすんで立ち出でる

今出た二人は大川城で討死した原国の子で、兄が松千代弟が金松である。君と親の敵を討ちとろうと思い、我身が立出でた時は既に遅かった。敵は思子を捕らえ村原を引き寄せる策でいる由、直ちに村原に告げて一刻も早く果たせねばならぬ」こう述べるのです。

♪口説 家のゆずりの薙刀を討取り直してくる〜と くるりくるりとふりたてて 只斬り開き割って入り水も溜まらぬ谷茶が首討ち落すその手並み 当たるものなきその威勢さてもさてもと一声に敵や味方の目をさます。

二人は村原のやしきに作戦のため急ぐのです。
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第6幕 こっきょうの時節の幕
村原の線斗配置命令です。天の引合わせか神のお助けか散りに散った同志も揃って、念願のかなう日がやってきた。次は、配置命令、喜瀬の大屋子は、敵の城近く忍び寄って、乙樽が思子を奪いとって逃げる途中の護衛に当たれ、西川の子(シー)は加勢方と共に城の後方の山に伏していて、谷茶が北の山に行きつく頃、城をのっとり大川の印旗をいち早く立てよ。瀬底下庫利は、北の山道ん先にかくれていて、谷茶が走り過ぎた後に、通路口をふさぎ、山道の真中辺を通る頃は、ほら貝や石火矢をうちならして、いくさ気分を湧きたてよ。原国兄弟は、小道の真中に伏していて先のほらがい等の合図で蹴り出て討ちとれ。泊は、乙樽と思子が半里程にげた頃、城にのぼって告げよ。「衆よ、最後まで一致団結してかかれ、不和はわざわいのもとである。勝ちいくさ間違いなし、いざいざ急ごう」村原はかように述べます。
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第7幕 谷茶最後の幕
乙樽が思子を奪いとってにげる。
♪ はいつくてん節口うすかぜもすださ 風まやとともに おしつれて互に遊ぶうれしさや
喜瀬がなぎなたを乙樽にわたして側を護る。泊が乙樽、思子の逃げたことを告げる。城内はどよめきが聞こえる。谷茶があわてざまとび出してかける。谷茶は乙樽に恩義忘却の奴だとどなる。にげる乙樽を追う途中こわい村原にぶっつかり、逆に追われる。原国兄弟が天ぐすねひいて待つやいばの中にとびこみあえない最後をとげる。ここにつわもの共の夢は消え失せた。

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第8幕 思子入城の幕
味方の点検が終わるや、久方に思子(これからの若按司)の前に皆ひれふして泣いた。乙樽「敵の島国はかごの鳥心地です。おもいもままならなぬ毎日で、ほんとうにきょうの日は夢ではないでしょうか。何よりも母親と乙松はご無事でございますか」村原は「女の身ながら命をふりすてて今日あらしめたのはほんとうに末代までの手本である」とたたえ、且同志をねぎらい、総勢は元のお城におどりながら思子をお供するのです。
♪しゅうらい節 み代継ぎよ召しょうち 元のお城に おかけぶしゃ召しょうれ 玉の思子
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多良間の豊年祭り(八月踊り)は「国指定重要無形民俗文化財」に指定されています。
旧暦の八月八日を「八月御願」の日として、その日が仲筋の「正日」で、次の日を塩川の「正日」、次の日を「別れ」(両字)として三日間行われる。

参考:多良間村公式ウェブサイト>>八月踊り

多良間島に関する過去の記事はこちらから
多良間島レポVOL1~VOL4

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